人生の所感

会社員って本当に損?

2021年8月16日

こんにちは。ひでです。
世の中には会社員をターゲットにした景気の悪いニュースが溢れています。

平均給与も下がっていて2020年調査でOECD諸国内38か国中22位。
出典:OECD.Stat Average annual wages

毎日一生懸命働いていても給料は上がらないし、税金とか保険料とかたくさん取られるし会社員は損だと思う人も多いと思います。
でも本当にそうなのでしょうか。

会社とは何か?

会社とは会社法で定められている定義ですが、平たく言うとビジネスを行うために設立した法人です。
ビジネスを行う場合、個人で個人事業主としても行うことができますが、法人化して会社組織にしたほうが様々なメリットが享受できるため、ビジネスを興す人の多くは会社を設立しています。
会社の正式な定義や法人化などについては、当記事の本筋ではないので詳細は割愛します。

会社は規模にもよりますが、大企業の場合、

・会社のビジネス計画を策定する経営企画部門
・会社全体のお金を管理する経理部門
・ビジネスが法令に則って行われているかチェックする法務部門
・社内の各部署のガバナンスやリスクマネジメントの状況をチェックする内部監査部門
・世の中に価値を提供する製品やサービスを考えて形にする開発・製造部門
・その製品やサービスの魅力を伝えてどうすれば売れるかを考えるマーケティング部門
・マーケティングの方針に従い顧客を開拓して販売する営業・販売部門
・これらの部門で働く人たちを採用して適性配置を行い労務管理を行う人事部門
・社内環境(工場、オフィスなど)や什器・備品などのファシリティ管理を行う総務部門
・働く人の業務遂行をアシストするシステムを開発・運用する情報システム部門

など様々な機能を持つ部署が集まって構成されていて、各々の機能ごとにロケーション(勤務地)もさまざまです。

会社員とは何か?

前項の会社で正規雇用で働く人を会社員といいますが、この会社員という職業を改めて考えてみましょう。

会社員とは、誰かが興したビジネスに労務を提供してその対価として給料をもらう仕事です。

入社すると会社から辞令を受けて各部門に配属され、会社の指揮命令に従い業務を遂行します。

多くの人は学校を卒業してすぐに会社に入社して、まずは一般社員として上司の指示で仕事をしながら業務を行います。そして年次が上がるにつれて業務内容は高度になり、後輩や部下の育成や管理なども業務に加わり業務範囲も拡大していきます。それらの業務内容の拡充や責任の増加に伴って役職も付与され、対価としての給料も役職に応じて上がります。

そうやって一生懸命仕事をしているうちに、会社の人事制度によりますが 55歳で役職定年を迎えて給料が下がり、60歳で定年退職して継続再雇用でさらに給料が下がり、そのまま65歳を迎えて会社を去ることになります。

よく言われる会社員のデメリット

世の中でよく言われている会社員のデメリットは下記のようなものがあります。

・会社のために頑張って成果を出しても給料が増えない
・朝から晩まで労働時間が決まっていて自由に働けない
・仕事や勤務地を自分で選べない
・上司や同僚を自分で選べず人間関係で苦しむことがある
・所得が全部把握されていて経費で落とすなど節税対策ができない

私の親も会社員でしたが、子供の頃に家で親が良く、

サラリーマンは『トーゴーサン』で所得把握されているから何もできない。●●(自営業を営む知人)は乗っている車も経費で落としてるんだってよ!

なんてぼやいているのを聞いていて、当時は世の中そんなものかと思っていました。
自分が就職先を検討する際にもそんな話はうすうす覚えていたものの、私自身も商売の元手となるお金があるわけではなく、人脈があるわけでもなく、特別な才能があるわけでもなかったので、迷わず(?)会社員になる道を選びました。

私が実際に会社員として仕事をし始めてから確かに前述のデメリットは感じたことはありますが、世の中の仕組みを知って視野が広がるにつれて、会社員にはメリットも多いことに気づきました。

会社員のメリット

繰り返しになりますが、私自身が会社員になって感じた会社員のメリットはたくさんあります。
前項のデメリットに関しても、考え方によってはメリットになり得ます。

  • 会社のために頑張って成果を出しても給料が増えない

これは、成果が出せなくても一定の給与は確保できることの裏返しです。
会社員生活の中では、頑張っても成果が出ないときもあります。特に研究分野では成果の出ない時期が長く続き、それがある日突然ブレイクスルーして花開くこともあります。
この成果の出ない期間も会社の他の利益をもとに給与は支払われるため、研究者は生活を気にせずに自分自身のミッション達成に向けて邁進することができます。
また、「有給休暇」というその名前のとおり休んでも給与がもらえる休暇が年に何日も付与されますし、体を壊して長期で休んでしまった場合の制度も充実しています。
これらの制度は別途取り上げようと思います。

  • 朝から晩まで労働時間が決まっていて自由に働けない

これは、生活リズムを整えるのに有効です。
平日は生活リズムが整っているのに、土日はリズムが乱れて体の調子がイマイチよくないという方はいませんか?(実は私がそうです)
始業や終業時間が決まっていることによって不自由を感じることはありますが、今は企業側もフレックスタイムや裁量労働制、時間単位の有給休暇取得などの制度を設けることで自由度は昔よりは上がってきているように感じます。

  • 仕事や勤務地を自分で選べない

会社内では会社の人事制度や雇用形態にもよりますが、数年ごとに人事異動で違う部署へ異動になり、全国や世界に拠点のある会社の場合は転居を伴う異動もあり得ますので、そのとおりです。
このことも考えようによっては、メリットになります。
人事異動は会社に色々な部署を経験させてもらって自分の履歴書に書けるキャリアが増えていくことで転職を考えた際の自分の「売り」も増えますし、転居を伴う場合も転勤がなかったら決して行くはずのなかった土地で生活することができて人生が豊かになる可能性を秘めています。
私自身も子供時代に親の転勤に伴い転校などを経験しましたが、新たな出会いへの順応の大変さや別れの寂しさなどは当然ありましたが、その半面色々なことが経験できました。
私自身が社会に出てからも旅行では絶対に行こうと思わなかった国で仕事をしたこともあり、振り返ればよい経験だったと思っています。

  • 上司や同僚を自分で選べず人間関係で苦しむことがある

これは残念ながらメリットはほぼないです。
強いてあげれば広い世の中の変な人への対処方法などを学ぶ機会になるくらいでしょうか。
最近はハラスメント系が明るみに出ると会社イメージにも傷がつくことから内部通報制度も充実していますし、真剣に対処してくれるようになっていますので、会社に窮状を訴えれば解決する可能性も高いと思います。
対処がなされない場合で本当に耐えられずメンタルが崩壊しそうなら、医師の診断を受けて制度を使って収入の心配せずに長期休暇に入ることも可能ですし、対処方法の選択肢はたくさんあります。
このあたりの制度も前述のとおり別途取り上げようと思います。

  • 所得が全部把握されていて経費で落とすなど節税対策ができない

これはそう思い込んでいる人が多いと思いますが、誤解が多分に含まれていると感じます。

所得が全部把握されているのはそのとおりですが、会社員は誰もが得られる基礎控除の他に、給与所得控除があります。
事業を営んでいる方の事業所得は、収入から必要経費を引いて算出しますが、会社員の場合は必要経費が捕捉しづらいことから、年収に応じて一定割合で算出された給与所得控除が経費の代わりに差し引かれています。

【令和2年分以降】

給与等の収入金額
(給与所得の源泉徴収票の支払金額)
給与所得控除額
1,625,000円まで 550,000円
1,625,001円から 1,800,000円まで 収入金額×40%-100,000円
1,800,001円から 3,600,000円まで 収入金額×30%+80,000円
3,600,001円から 6,600,000円まで 収入金額×20%+440,000円
6,600,001円から 8,500,000円まで 収入金額×10%+1,100,000円
8,500,001円以上 1,950,000円(上限)

出典:国税庁ホームページ https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1410.htm

見てお分かりになると思いますが、給与収入に応じて55万円から195万円の給与所得控除が税の算出根拠となる収入から控除されています。
会社員をしていてこんなに経費って使いませんよね。
また、交通費や転勤に伴う引越費用、研修費用、業務に関する図書購入費用、交際費などが給与所得控除の1/2を超える場合は、特定支出控除も受けることができます。
これらは会社で経費精算できるものが多いので、研修費用や図書購入費用などくらいかもしれませんが、このような制度も用意されています。

出典:国税庁ホームページ https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1415.htm

確かに控除は用意されていても所得税率を見ると、給与が上がるほど超過累進課税で税率も上がりますが、プロ野球選手などの高年俸の人の税負担は大きいですが、私を含む一般会社員の場合はそれほどではありません。

【所得税の速算表】

課税される所得金額 税率 控除額
1,000円 から 1,949,000円まで 5% 0円
1,950,000円 から 3,299,000円まで 10% 97,500円
3,300,000円 から 6,949,000円まで 20% 427,500円
6,950,000円 から 8,999,000円まで 23% 636,000円
9,000,000円 から 17,999,000円まで 33% 1,536,000円
18,000,000円 から 39,999,000円まで 40% 2,796,000円
40,000,000円 以上 45% 4,796,000円

出典:国税庁ホームページ https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2260.htm

この速算表上の「課税される所得金額」は、額面の年収から前述の給与所得控除、扶養控除、社会保険控除、生命保険控除など様々な控除額を差し引いたあとの所得金額ですので、会社員としては高収入の部類に入る年収1,000万円プレーヤーだとしても、控除額の差により税率は20%か23%で納まる方が多いと思います。
確かに配当所得や雑所得などよりは税率は高いですが、様々な控除後の金額に対する税率であると考えると、個人的にはそれほど不利なものではないと考えています。

その他にも私自身が会社員になって感じた会社員のメリットには以下のようなものがあります。

  • 仕事に必要なビジネスマナーやスキルをお金をもらいながら身に付けられる

多くの会社では新入社員は一定期間ビジネスマナーや業務知識などの研修を受けて、一通り基礎知識を身につけた状態で実際の職場に配属されます。職場に配属されてからも、上司や先輩からOJT(On the Job Training-実際の仕事を通じた指導)を受けながらより実践的な実務知識を身につけていきます。
まだ一人前に仕事ができないこの期間も毎月給与は支払われ、場合によっては業績連動賞与も支給されます。

  • 大きな仕事ができる

個人事業主や自営業では、できる仕事の規模が限られます。
もちろん現在世界を席巻する大企業でも創業時は数名で起業して段々規模を拡大して今の地位を築いていますし、スタートアップ企業が新サービスを提供して数年で世界的に成功するユニコーン企業になる例もありますが、すでに世の中に大きな価値を提供している企業に勤めることで、自分がその仕事の一翼を担うことができます。

  • 社会的信用が高い

会社員として会社に属しているということは、給与という安定した定期収入があること、勤続年数が長いとその会社で問題なく仕事をし続けているということで社会的な信用が高くなり、よく言われることですがローンやクレジットカードの審査が通りやすくなります。
また、初めて会う人も会社名で自分を信用してくれて、色々な物事が進めやすくなったりすることもあります。

  • 後腐れがない

会社員は前述のとおり、誰かが興したビジネスに労務を提供してその対価として給料をもらう仕事です。
仮にそのビジネスがうまくいかず最悪会社が倒産した場合、ビジネスオーナーなら債務整理など大変な仕事が待っていますが、会社員は他の会社に転職してしまえば何の問題もありません。

  • 社会保険料の半分を会社に負担してもらえる

社会保険制度は、日本では医療保険年金保険介護保険雇用保険労災保険の5種類あります。
会社員の場合、医療保険、年金保険、介護保険に関しては半分を会社が負担してくれていて、雇用保険は2/3、労災保険については全額が会社負担です。
年金保険に関しては、扶養する配偶者がいる場合、配偶者分の国民年金保険料は3号被保険者として個別に支払う必要がありません。
また、医療保険に関しては、国民健保では扶養の考え方がないのでひとりひとりが保険料を支払う必要がありますが、会社員の場合は大企業の組合健保、中小企業中心の協会健保ともに、扶養家族が何名いても支払う保険料は同じ(1名分)です。
また、大企業の組合健保の場合、高額医療制度の他、付加給付などで高額医療よりさらに少ない自己負担で病院にかかることもできます。

また、会社により差があるかもしれませんが退職金の積立も会社がしてくれています。DC制度があれば、会社負担で拠出したお金を自分で非課税で運用することもできます。

給与がなかなか上がらない、と私たちが不満に思っている中で、会社はこれだけの負担をしてくれているのです。

おわりに

総務省統計局の労働力調査(2021年(令和3年)6月分)によると、就業者6,692万人に対して会社員(正社員)だけでも3,576万人います。
役員になっている方、非正規雇用の方も合わせると5,980万人が雇用者で、働く人の約90%が何らかの形で会社で働いています。

このように会社員は世の中非常に多く、ネガティブなニュースのほうが耳目を集めるという特性があるため、悪いことがクローズアップされて報道されがちですが、フラットに考えるとそれほど損な仕事ではないように思いませんか。
仕事が辛い、会社をすぐにでも辞めたい、と思っている方は多いと思います。心身限界なら自分自身を守るために即辞めてしまうほうがいいと思いますが、そこまで追い詰められていない方は辞める準備が整うまでの間、会社員のメリットを考えることで少しでも心の平静を保って冷静な判断をするようにしたいですね。

出典:総務省統計局 労働力調査(2021年(令和3年)6月分) https://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/tsuki/pdf/gaiyou.pdf

お互い頑張りましょう!!

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